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2016年12月19日月曜日

くみたてLab、ユニバーサルIEM『TRIO Black』 を12/24に発売します!

まずは、秋葉原でのポタフェス2016へお越し頂きありがとうございました。
おかげさまで2日間、ブースは大盛況でした。
KL-Lakhが予想以上にご好評いただけて、設計者として嬉しい限りです!

さて、今年も残すところあと2週間を切っているわけですが、昨年夏のこの投稿を覚えていらっしゃいますか?

7/11、ポタ研に参加します! ~ポタ「研」っつってんだろ~

この低域大研究からKL-サンカ Mk-B/Kが生まれた訳ですが、注目して欲しいのはこのポスター

モデルはご存じTRIOなんですが、見覚えのない黒い筐体でしたね。
会場でも沢山のお問い合わせをいただいておりましたが、今回ようやく準備が出来ました。

TRIO Black

FOSTEX製ダイナミックドライバーとBAドライバーを使用した1DD+2BAのハイブリッド型ユニバーサルIEM。
従来のTRIOを黒く染め上げたブラックロジウム仕上げの銀筐体です。
ステムにフィルターを設けることで突き刺さるような高域を若干緩和、キャラクターはそのままに、高域を滑らかに再チューニングしました。

銀をテーマにしたTRIOでしたが、TRIO Blackは文字通り黒がテーマ。
ケーブルもTRIO Blackに合わせた専用品が付属します。

販売は12月24日よりフジヤエービックさんにて。
価格は¥164800(税込)となります。
※カスタムイヤピースは付属しません。

よろしくお願いいたします!

2013年3月9日土曜日

SE530分解とドライバ解析

ツイッターのフォロワの方から、SE530を譲りましょうか?とご提案が。
ブログのネタにすれば言い値で結構です、との事だったんですが
せっかくなのでフォロワさんのカスタムIEMにすることにしました。


カナブン、と称される筐体。僕は割りと好きです。SE535よりも
耳への収まりがいい。丸っこくて痛くないし。
このSE530、フォロワさんのお嬢さんが口に含んだらしくw、
右側からの音が弱いとのこと。


周波数特性を見るとウーファーが死んでいると思われます。
殻割りしてみましょう。


殻割りするときは、上と下の継ぎ目にカッターを入れていきますが、
ステム側から入れていくと割りと簡単に「パキ」っと接着剤が
剥がれていきます。

ただし、結構力を入れるので、鋭利な刃物を扱う際は注意してください。
刃物で手を切るときは、

1.刃先の延長に指や手がある
2.切る対象が極端に固いか柔らかい、もしくは滑りやすい

のいずれかのときだと思っていますが、この作業は二つの条件を満たしやすいですw
十分に慎重に。30分くらいかけて一つを殻割りするくらいの気持ちで。


さてパカっと割れました。久々でしたが綺麗に割れました。
筐体とドライバはスポンジみたいなもので接着されてます。
100均とかで打ってるスポンジ状の両面テープで代用可能?
ユニバーサル自作派の人にはヒントになるかも。

さて、今回はドライバごとの周波数特性を測りたいので、
フレキシブル基盤を剥がしてみます。


基盤のホールに付いたはんだを、こて先でチョイチョイ、とやって
あらかた取り除いたあと、再びホールにこて先をあてて、
カッターナイフ等で持ち上げて剥がしていきます。
コンデンサは2.2uF、抵抗は5.1Ωみたいです。

決して力ずくで持ち上げてはいけません。半田タップが剥がれます。
また、ハンダ吸い取り線を使ってもダメです。
あれを使う時はこて先を400度以上にしますが、こて先の熱で
やはり半田タップの接着剤がやられて剥がれます。



仮に半田タップが剥がれた時は、スズめっき線などをかぎ状に曲げて、
ホールから飛び出てるリード線に引っ掛けて半田付けします。
このままでは強度的に不安なので、半田付け後、エポキシ接着剤で
コーティングします。


カメの親子みたいなユニット。それぞれの形から、
ツイーターは2300系、ウーファーは3300系と推測されます。


まずはツイーターの比較。2323と予想してたんですが、
2323はデータシート上では2389と全く同じスペックで、センタータップの有無が
違いでしかありません。なので、赤と青のグラフがぴったり重なるかと思ったんですが、
これだと微妙ですねw やはりこれも特注なんでしょうか。

北杜うましさんから正常なSE530ウーファーを譲ってもらったので、こちらも測定。




面白かったのがウーファー。手持ちの3300系と比較してみたんですが、
特徴的なのは1kHz以降。綺麗にハイカットされてます。
TF10pro(ユニバーサルの10pro)の3300には、2354のように
ベントが開いています。このベントは高域のピークは変えず低域を持ち上げる
という効果がありそうです。
SE530のウーファーには、筐体側面に1.5mmくらいの割と大きい穴が
開いてます。これも低域を持ち上げるものかと思ったのですが、
どうやらそうではなく、ハイカットに影響しているのかも?
ベントの道も奥深い・・・w


週間『SE530』創刊。創刊号はハウジングがついて(ry
壊れてしまったウーファーについては洗浄も考えたのですが、
ベント付きの物は色々難しそうなので調査中。Sonionにメール送ったけど返信なしw

このSE530については、アップグレード案も出てるので今後どうなるでしょう。
お楽しみに。

2012年11月3日土曜日

初ユニバーサル? 『タカチくん』製作編

twitterを始めてから、IEMを自作する人たちと交流を深めたのですが、
IEMでもカスタムを自作するのか、ユニバーサルを自作するのかで分かれるみたいです。


こちらは、先月匿名さんから寄せられたフルスクラッチの
ユニバーサルIEMの写真です。素晴らしい完成度ですね。
ユニバーサルの一番の難所は、筐体をどうするかというところでしょう。
フルスクラッチは、ノウハウなり経験がないと中々難しいです。


市販されているケースなどを筐体に流用できれば、
自作ユニバーサルIEMのハードルがぐんと下がりそうです。
これはタカチから出ている「SW-15」という最小のケースです。
寸法は10*10*15mm、千石で¥90で購入。
最初は「こんなケース何に使うんだよw」と思ってましたが、
ユニバーサルIEMの筐体としてはうってつけでした。


せっかく蓋を開けることのできるケースなので、中身を入れ替えられるように
したいところです。音導管と筐体の接着はせず、音導管はアルミプレートに
接着し、そのプレートと筐体はネジで接続することにしました。



アルミプレート部と音導管の全図。角をリューターで落としておきます。
この音導管内に、チューブを差し込んで、BAユニットと音導管を接続します。
音導管は4mmと6mmのアルミパイプを結合して作ったのですが、4mmのほうに
サウンドダンパーを差し込みます。丸棒やすりで少し内径を拡大しています。


中身に詰めるBAドライバですが、今回はUE900を模して、
TWFKと33A007を入れてみることにしました。
当初はTOGO!334を再現する予定でしたが、残念ながら
このケースにCI22955は入りませんでした。
このケースにはDTECや33A007をウーファー、
TWFKやED29689、Sonion2389、44A004などをツイーターに使った
3~4ドライバのIEMが限界だと思われます。
もう一回り大きいケースは15*15*20mmで、こちらにはCI22955が
入るんですが、今度は耳に収まるかどうかという問題が出てきますw


ケースの中がギチギチなので、残念ながら今回は空中配線です。
33A007には10Ωの能率調整、TWFKには2.2uFのハイパス用コンデンサ。
TWFKのFKには2.2uFが、WBFKには1.8uF((1.5uF+2.2uF)/2、並列接続)が
挟まった状態になってます。


フタ側にコネクタを付け、パチンとフタを締めて完成。イヤーチップは
Shureの物を利用できるようにしています。大体4mmのアルミパイプが
Shureにぴったり、6mmくらいのがUEのにぴったりです。
これはMMCXコネクタをつけてますが、あまり調子が良くなかったので、
結局ケーブル直付けにしました。


周波数特性。カプラがぐずぐずなのでまともに計測できてませんねw
音導チューブ長さに関する実験を近々したいので、カプラもキチンと設計しなくては。
周波数特性だけでみると、1kHz付近が抑えられているのが分かると思います。
実物のUE900はかなり低域が強めだったので、能率あわせの10Ωが挟まれていない
のかもしれません。ウーファをスルー付けで使うというのは、カスタムIEMの
ネットワーク設計に良く見られ、それが反映された形なんでしょうか。あくまで推測ですが。

さて、祭りではロジクールの人たち含め、様々な人たちに試聴してもらった
嘘UE900こと『タカチくん』。しかし、祭りの終わりごろに
「左のバランスがおかしい」という指摘が相次ぎました。
聴いてみると、たしかに音が小さい?どうやら、内部の接触か
音導チューブの密閉がダメになってしまった模様。


祭りにあわせて作られ、祭りの終わりとともにその
役割を終えたタカチくん。短い生涯でした。
自作ユニバーサルを作らんとする人の何かの参考になってくれればうかばれるというもの。

今度はフルスクラッチでやってみようかと思いますが、音導管とBAユニットの密閉は
課題として残りそうです。