おかげさまで毎月ご注文をいただき、貝を切り貼りする生活が再開いたしました(笑
ここで今一度、12月~1月の作例を振り返りつつ、サービスの詳細をご案内します。
1.デザインのカスタマイズはどこまで可能か?
お客様より、「深海とマグマのイメージで。マグマは螺鈿のモザイクを使って表現できないか?」とご相談いただいた作例。マグマのほうは新しい試みを何点かやっております。
螺鈿・青と、螺鈿モザイク「マグマ」 |
螺鈿・青 |
螺鈿モザイク「マグマ」 |
シェルにもグラデーションをつけています。カナルからフェイスプレートへ向かっていくにつれ、色が濃くなっていきます。
螺鈿・青と彗星・青 |
彗星・青 |
2.プレーンなオーダーの精度は上がっているのか?
特殊デザインではなく、1枚貼りの螺鈿も、緊張感のある仕上がりになって私自身お気に入りです。螺鈿・黒と螺鈿・赤 |
螺鈿・炎 |
1枚貼りの場合、貝のどの部分を使うのかに気を配ります。A4くらいの板から、2ペアくらいしか適当な模様が取れないことも・・・(汗
自分の中の、螺鈿第一期?のテーマは「重箱などの漆器の上に貼られた螺鈿」というものだったんですが、
第二期のテーマは「シェルとフェイスプレートの調和・トータルデザイン」です。螺鈿の背景の黒い板は、今までよりも薄いものを使用しています。
プレーンなモザイク。モザイクは、今までどおり背景の板は厚いものを使用しています。
3.同じデザインならば、同じ仕上がりか?
サクラ |
サクラ |
彗星・紫とサクラ |
彗星・紫とサクラ |
ご好評いただいております「サクラ」と「彗星・紫」。同じデザインであっても、花びらの形や枚数、散し方などは必ず変化をつけています。お客様の耳の形が一人ひとり違う以上、最適な構図が違うからです。
大き目の耳の人は小さい花びらを散してみたり、小さい耳の人は大きめの花びらを散してみたり。
この辺はお客様の希望をお聞きしながら調節も可能です。
4.半田付けや内部配線まで自分でこなすのはなぜか。
個人的に、IEM内部の配線の取り回しに、製作者の個性がもっとも反映されると考えています。
よく観察すれば、製作者が誰なのかを特定することも可能です。
ユニットから伸びる配線の流れを意識して、まとめたりまとめなかったり、散したりばらけさせたり。
この辺も、お客様の耳型に合わせて変化させます。
螺鈿の場合、内部配線を観察することは難しいのですが、隠れてしまう部分だからこそ、油断しないでこなすことが重要かと思います。
5.部品のカスタマイズで唯一無二のIEMに
月5名様の製作なので、コンデンサや抵抗の部品も、対応できる範囲で特注で作ってみました。
PRP金属皮膜抵抗 |
PRP金属皮膜抵抗 |
DALE金属皮膜抵抗+ECPU |
PRP+Vishay+ECPU |
Vishay0.5%誤差品 |
赤いボディが印象的なPRPの金属皮膜抵抗。アンプはもちろん、ギターのエフェクターで使用される方も多いようです。
DALEの抵抗は、秋葉原の海神無線さんで手に入れました。お店の方曰く、もう在庫が2本しかなく、ディスコン品とのこと。その2本を譲ってもらいました。
これはサンカのネットワークなんですが、もうこの組み合わせでは二度と作れませんね。 まさに唯一無二。
Vishayの抵抗は、10Ωが唯一の0.5%品。たくさんつなげて、50Ωを作ってみました。誤差上がってるんじゃね?って突っ込みは無用。ちゃんとテスターでマッチングを取りました。
6.付属品やパッケージ詳細
「上がってきたパッケージサンプル、一度白紙に戻す」という大事件が起こったものの(汗、なんとか完成したパッケージ。
その甲斐あってか、中々の出来栄えになったかと思います。
ペリカンケースには、お客様のお名前と、シリアルナンバーが入ります。 |
以上が『螺鈿”KumitateK”』の全容です。まだまだ始まったばかりのサービスですが、お客様との対話を通して、魅力的な作品・サービスにしていきたいです!
最後に、サクラの限界がこちら。まだまだいけるのかなぁ。
これからもよろしくお願いいたします。