2013年6月27日木曜日

磨きはコーティングを超えるか? SE530imp 完成編

さて、フォロワーさんから3月に受け取っていたSE530
修理と改造がやっと終わりました。



艶やかに光る螺鈿プレート・・・反省点が無いわけではありませんが、
自分の現時点での最高パフォーマンスが出せたと思います。

製品版ではこれ以上のクオリティーを発揮していかなくては。

さて、それでは製作記。今回はなんと言っても螺鈿プレートが
新たな試みでした。これはフォロワーさん提案の物だったのですが、
面白い素材を紹介してもらいましたねw
何か良い物を引き出してもらった気がします。ありがとうございました。

螺鈿細工を画像検索すると、螺鈿の美しさは
黒色によって引きだすみたいです。


黒シェルを作ったときの副産物、黒フェイスプレート。
今回はこの上に螺鈿を貼ってみました。


螺鈿は「カッターで切れる 青貝」というもの。
シェルはかなり薄めのブルーで、ガラスを思わせる色合いにしてみました。


そのまま貼り付けただけでは面白くないので、
黒の縁取りを施します。といっても、フェースプレートより
一回り小さくカッティングするだけですが・・・。
マスキングテープをガイドにして、螺鈿プレートを切ります。
ただ、ジャストで切ろうとすると、縁が割れたりするので、
少し大きめに切って、サンドペーパーで削って形を整えましょう。


フェイスプレートに貼り付けるとこんな感じ。
螺鈿の裏面は念のために黒色に塗ってます。
これで発色がよくなります。


フェースプレートはUVレジンでコーティングして
作るため、シェルの切り口よりほんの一回り小さくしています。
このギャップを樹脂がコーティングしてくれることで、黒の光沢も
より深いものになるはずです。
上にドバーっとUVレジンを垂らしてフェイスプレートを成形します。


左(右耳)が磨き処理、右(左耳)がコーティング処理で
表面処理をしたもの。コーティングにはスポットができてしまっていますね。

カスタムIEMはイヤーチップなどを使わず耳にフィットさせるので、
表面がツルツルじゃないと痛かったりフィット感が悪かったりします。
いわゆる鏡面処理が必要なのですが、これを磨きで出すのか、
コーティングで出すのか。

磨き処理
コーティング処理
コーティングは手軽に鏡面を出せるという利点があります。
ただ、剥離という問題がどうしても出てきます。
また、これはノウハウが少ないからかもしれませんが、
コーティングのムラができてしまう事も。
現状では磨きの方が綺麗に表面処理できる、と言わざるを得ないでしょう。

作業時間も、磨きは時間がかかりますが即日完成。
コーティングは乾燥時間を含めると数日~一週間。
製品版でも、しばらくは磨きで表面処理をしていきたいと思います。


肝心の音ですが、SE530っぽさを破綻させない程度に低域を盛っています。
低域にドライバを追加し、ツイーターをデュアルにしました。
追加したウーファーには物理的なローパスを施し、中域以降の音圧を
余計に上げないようにしました。マッチングも向上。デュアルにしたツイーターのおかげ?

さて、英文の記事でアナウンスしたサービス内容ですが、
このSE530impは、既存のIEMを改良するサービスのパイロット版として
製作しました。対応するIEMも徐々に増やして行こうと思います。