4月のヘッドホン祭から皆さんにいただいたインプレッションを参考にチューニングを進めてきましたが、
ようやく納得いく仕上がりになりましたので、この度発売となりました。
KL-サンカMk-B
・3Driver3Way
・¥100,000(税込)・チューニング違いの”Mk-K”あり!
サンカMk-Bの特徴を一言でいえば、「リスニング用途に特化した、究極のドンシャリホン」です。
元となった「サンカ」は、3Driver2Wayで、非常にオーソドックスな音を奏でてくれたIEMでしたが、
サンカMk-Bでは20Hz~150Hzの低域帯と、10kHz以上の高域帯の音圧を上げています。
サンカはもともと、CI22955とED29689というドライバを使ったコンペ用に作ったIEMで、
くみたてLabのスタートアップを支えてくれたIEMです。
そんな「サンカ」だったのですが、設計者である私自身の変化に合わせて、再チューニングしてみようと思い立ったのが去年の7月。ちょうどKL-REFの発売が始まったころでした。
ダイナミックドライバの特性を計測してみると、BAドライバにはない特徴的なカーブを描く
特性を持つ物が多いことに気づきました。低域がドンドンとなるダイナミック型IEMの特徴的な音色は、このカーブによるものが多いです。
ダイナミックドライバはその特徴的な低域の特性が魅力的ですが、音響設計には筐体設計が必要不可欠であり、また容積が大きいため実装に困難が伴うことが課題でした。
BAドライバで、ダイナミックの持つ特徴的な波形が出せたら面白いかもしれない― 上記の問題を
解決できるだけでなく、今まで培ったアコースティック関連のノウハウも音作りに生かすことができます。
そこで、50Hz~1kHzまで、ほぼフラットに出力してくれるCI22955を使い、ローパスフィルタを組み込むことでダイナミックのような波形を再現してみました。
黄色の波形がサンカMk-B、緑の波形がさらにドンシャリ感を強めた”Mk-K”になります。
20Hz~250Hzまでの盛り上がりが、従来のBAドライバ機ではありませんでした。
また、ダイナミックドライバでは調整のしにくい100Hz~300Hzの特性も、音響フィルタや
ローパスフィルタを変えることで二通りの音色を持つように調整することができました。
他の3ドライバIEMではなかった、メリハリのある攻撃的な音に仕上がったと自負しております。
ポタ研で試聴機を展示しますので、ぜひ音を確かめに来てください!
それでは、みなさんお待ちしております。
よろしくお願いします!